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神奈川県横浜市の(株)筒見工務店様の安田様より問い合わせのメールをいただきました。
「国の重要文化財の建物の改修工事を当社で行う事になりました。
つきましては、工事内容の中の上げ下げ窓の滑車の部品を調達して頂きたいのですが、ご相談に乗って下さい。宜しくお願いします。」
(株)筒見工務店様は文化財の仕事を請け負う程のしっかりした仕事をされる地元でも信頼される工務店様です。
私は、こんな嬉しいお話をいただき、なんとしても納入できるようにして安田さんに喜んでもらいたいと思いました。
右の写真は文化財の滑車の写真です。
この滑車で上げ下げ窓を上下の位置のどこでも止めるようにできます。
現在のバランサーと同じような役目をします。
滑車の裏側の両側の枠の中に上げ下げ窓の半分の重さと同じ重りが下がっているので、どこの高さでも窓が止まる仕組みになっています。
私は、山形県の旧県会議事堂の文化財の時も金物を納入させてもらったことがあったので、文化財の現場に金物を納入することの大変さを、身をもって体験していました。
大変なだけに納入できた時は、格別な喜びを感じたものでした。
今回もなんとしても安田さんの希望する品物を納入したいと思い、私が知り得るあらゆる方面に問い合わせをしました。
そして、遂に完成しました。
(株)筒見工務店様の安田様から鎧戸(よろいど)用アオリ止のトンボ製作の依頼も受けました。
現在は窓の外側に鎧戸(よろいど)を付ける事はなくなりましたが、昔はこの写真のように窓の外側には必ず鎧戸(よろいど)がついていました。
その鎧戸を開いた時にこのトンボが鎧戸を抑えて、風が吹いてもバタバタしないようにしていました。
鎧戸を閉める時はこのトンボのプロペラをちょっと横にひねるだけで閉めることができます。
このトンボの話は最初から製作することでスタートしましたので文化財の現物をお預かりさせていただき、材料から仕上げまで、すべて同じように製作させていただきました。
当社を国の重要文化財の改修工事に参加させていただきました(株)筒見工務店様の安田様より金物の納入後に、うれしいメールをいただきましたのでご紹介させていただきます。
(株)筒見工務店様 安田様より
武田社長様
お世話になりました。
お蔭様で3/19に工事完了引渡しが出来そうです。
ありがとうございました。
先日のお話で完了写真をお送りするとの事でしたので、あおり止め・滑車の 完了写真を添付致します。
今後共ご協力の程宜しくお願い致します。
株式会社 筒見工務店 安田
安田様、こちらこそ、このようなお話をいただきまして本当にありがとうございました。
今回、このような大変な改修工事に金物を納入させていただきましたことは私のこの上ない喜びです。
安田様に喜んでもらえて、本当にうれしいです。
このお客様の喜びの為にこそ、私が仕事をしているような気持がします。
こんなうれしいことはありません。
こちらこそ、ありがとうございました。
武田英昭
工藤建設(株)の工藤様よりうれしい報告をいただきましたのでご紹介させていただきます。
武田様 この度は大変お世話になりました。
北海道伊達市の工藤建設です。
迎賓館の引渡しと役所検定が無事終了しました。
遅くなりましたが、既存滑車・新規滑車取付けの状況と外観の写真をメールさせて頂きます。
「この度は伊達市の重要文化財である迎賓館改修工事に御尽力頂き誠にありがとうございます。明治25年の建築物という事で各所の傷みが激しく、この度、武田社長にお願いした上げ下げ窓の滑車も不動になっておりました。
インターネットで検索したところ御社のホームページを拝見し、ご依頼させて頂いた次第です。
また、この様な技術はこれから少なくなっていくと思われますので大事に継承なさってくだされれば嬉しく思います。
貴社の益々のご発展をご祈念申し上げます。」
工藤建設 株式会社 工藤 恭徳様より
メールと電話でのやり取りしかできませんでしたが、サイズ・質共に完璧な滑車を納品していただきました。北海道ではこの上げ下げ窓は2ヶ所しか残っていないということで、伊達市の担当者共々本当に感謝しております。
工藤様、御注文ありがとうございました。
無事引き渡しが完了して本当に良かったです。
文化財の改修工事は当時の建物をいかにそのまま復元するかが問われるので、手作業の労力と根気のいる仕事で大変だったと思います。
佐藤木工様からご依頼をいただき、図面承認後に納品させていただいた上にこのようなうれしいご報告までいただきまして、本当にうれしく思います。
そして何より無事に引き渡しできたことが一番うれしく思います。
佐藤木工様と工藤建設様とのご縁で文化財の復元工事に関われたことに深く感謝申し上げます。
ありがとうございました。
武田英昭